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歴史総合

履修年次 1年
科目名   歴史総合
単位    2
科目の種類 必履修科目
履修対象 全員必履修

目標
 人類社会は16世紀にはじまるヨーロッパ人の世界進出によって急速に一体化が進んでいきます。現在我々が暮らしている国際社会の基本的な原則や経済の構造はこの時代から徐々に形成されたものです。「鎖国」によって国際社会から隔絶されていたと解釈されていた日本社会も国際社会との密接な関係で動いていたことが分かってきました。
 2022年度からはじまった「歴史総合」は日本の歴史教育の中では初めて東洋史・西洋史・日本史(大学では現在も別の学科に属しています)を一つの科目に融合し、「日本を含んだ世界」が作られていく過程を学ぶものです。1年生では20世紀初頭までの歴史的過程を目標としてこれまでに無かった視点から歴史を解釈していきたいと考えています。

内容
第一章 近代化への胎動
第二章 欧米の市民革命と国民国家の形成
第三章 アジアの変容と日本の近代化
第四章 帝国主義の時代


日本史探究(2年)

履修年次 2年
単位 3
科目の種類 総合選択科目
履修対象 文理系列文系の生徒

目標
主題学習等を通して歴史の関心を高め、歴史的な見方や考え方を身につける。それを踏まえ原始社会から江戸時代前期に至る日本の歴史の展開を、国際関係の動向と関連づけて理解する。

内容
・原始・古代の社会・文化と東アジア
・原始社会の人々の生活、ヤマト政権による統一、律令国家の形成と推移について理解する。
・中世の社会・文化と東アジア
・武家政権の成立、戦国時代に至るまでの武家社会の進展について理解する。
・近世の社会・文化と国際関係
・織豊政権と幕藩体制の特色と推移について理解する。

備考 文理系列文系の生徒はこの科目を受験科目とし、2~3年生で継続履修する。


世界史探究

年次 2年
科目 世界史探究
単位  4
種類  総合選択科目
対象 教養文化系列の選択者 

目標
この教科は芸術、家庭との選択科目です。教養文化系列からこれ以外の系統の短大・専門学校などに進学したい生徒や公務員・就職希望者などを想定しています。公務員以外では直接受験科目にはなりませんが、18歳からは参政権を獲得してこの国の主権者となる皆さんには人類がこれまで経験してきた歴史に関する教養を身につけてもらいたいと思います。
 なお、「世界史探究」は四年制大学入試(主に文系学部)では受験科目とされることが多いですが、この授業に関しては「受験科目」としては運用しない予定です。大学入試を目指す人は文理系列の文系を選択し、「日本史探究」を履修してください。
 1年生の「歴史総合」は世界の一体化が始まる16世紀から始まりますが、「世界史探究」は人類の発生から古代オリエント・ギリシア・ローマ・中国などの古代文明から人類の歴史を見ていきたいと思います。人類がこれまで築いてきた文明が現代にどのようにつながっていくのかについて知っておきましょう。

内容(予定)
第一章 古代文明 農耕と牧畜の始まり オリエント文明 インダス文明 中国文明
第二章 東アジアと中央ユーラシア
第三章 南アジアと東南アジア
第四章 西アジアと地中海周辺
第五章 西アジア・地中海周辺の変動とヨーロッパの形成
第六章 イスラーム圏の拡大とヨーロッパ社会の変容
第七章 中央ユーラシアと諸地域の交流・再編

備考 2年生教養文化の選択科目「歴史総合【増単】」を履修しているかどうかは不問です。

歴史総合【増単】

履修年次 2年
科目名 歴史総合【増単】
単位 2
科目の種類 総合選択科目
履修対象 2年生教養文化系列の選択者
目標 
 1年生の歴史総合では16世紀期以降の世界が政治的・経済的に一体化していく様子を学んでいます。現段階では概ね19世紀まではカバーしたいと考えています。2年生の教養文化系列で「歴史総合」の増加単位を選択した皆さんは、現代に直接連なる20世紀の国際関係について考えてもらいたいと思います。
 社会全体が複雑化し、矛盾が拡大していく中で何らかの「弱い」立場にある人たち(植民地の人々、女性、労働者階級など)にその矛盾を集中させることで経済発展を可能にしてきたのが20世紀の歴史でした。これらの矛盾が具現化したのが二度の世界大戦かもしれません。
 人類は多くの犠牲を払って「法の支配」や「基本的人権」「国際的な約束ごと」を守る体系を作り上げていますが、我々はこれが国家指導者の意思一つで簡単に蹂躙できることを目撃しています。ここでもう一度20世紀の歴史を振り返ってみるのも重要ではないでしょうか。

内容
第五章 第一次世界大戦と大衆社会
第六章 経済危機と第二次世界大戦
第七章 冷戦と脱植民地化

備考  教養文化の「世界史探究」を履修しているかどうかは不問です

日本史探究(3年)

履修年次 3年
単位 2
科目の種類 総合選択科目
履修対象  文理系列文系の生徒

目標
開国から現在に至る日本の近現代の歴史の展開を世界の動向と関連づけて考察する。あわせて世界での日本の立場やわが国の国際貢献の拡大に着目し、日本の課題や役割を考察する。

内容
・近代日本の形成と東アジア
・江戸時代後半の動向、開国と幕府の滅亡、明治維新と立憲体制の成立、近代産業の発展と近代文化の特色について考察する。
・2つの世界大戦期の日本と世界
・第一次世界大戦と日本の経済、政党政治の発展と大衆文化の形成、第二次世界大戦と日本について考察する。
・戦後の日本と世界
・戦後経済の動向、経済の発展と国民生活、現代の日本と世界について考察するとともに、広い視野に立って日本の文化や課題について認識する。

備考 文理系列文系の生徒はこの科目を受験科目とし、2~3年生で継続履修する。


地理総合

履修年次 3年(2022年度以降入学生)
科目名 地理総合
単位 2
科目の種類 必履修科目
履修対象 全員必履修目標 
 現代社会で生きる我々の生活は、気候・地形などの自然環境や政治・経済などの社会環境に規定されています。地理は中学校の教科区分では「社会科」に分類されていますが、自然の働きから人間の文化に至るまで,様々な要因が人間の生活に与える影響を考察する科目です。
赤道付近の太平洋で水温が少しだけ下がっただけで夏の猛暑や冬の大雪が発生したりします。また、国際環境の変化によって日用品の価格が値上がりしたり、ざまざまな製品が手入りにくくなることも現在体験しているとおりです。
日本と国際社会の垣根が低くなるにつれて、「外国」の人と直接接したり一緒に仕事をしたりする可能性も高くなっています。その際に相手の文化や歴史的背景について無知なまま付き合うことは思わぬトラブルの原因ともなります。すべての人がそれぞれ異なる文化的なバックグランドで生きていること、我々から見て異様に見える文化にも固有の意味や価値があることを理解することは重要です。地理という教科ではこのようなことも学んでほしいと考えています。

内容(予定)
・世界から見た日本の位置と領域
・国内や国家間の結びつき
・地形と生活文化
・気候と生活文化
・世界各地の生活文化

公共

履修年次 2年
単位 2
科目の種類 必履修科目
履修対象 全員必履修
目標
「景気がいい」「景気が悪い」この景気とは一体何か?
「若者の投票率が…」投票率が低いと日本の政治にどう影響するのか?
「世界平和を目指そう!」では、そもそも平和とは?
日本・世界のいま起きていることを通して、私たちができることを一緒に探していきましょう。私たちこそ、よりよい世の中をつくる主役なのだということを体感してもらいます。

内容
・私たちの生活と法、政治
 ―平等とは何か、正しいこととはどのようなことか。裁判や選挙の実例から考えます。
・私たちの生活と経済
 ―なぜお金が欲しいのか。なぜ働くのか。皆さんの将来の夢もふまえて考えます。
・私たちの生活と国際社会
 ―グローバル化とは何か。戦争をなくすには。最新の世界ニュースを通して考えます。

政治経済
履修年次 3年
単位 2
科目の種類 総合選択
履修対象 教養文化系列/文理
目標
教養文化系列
2年次公共の特に「私たちと法、政治」「私たちと経済」の内容を深めます。皆さんはこの授業を受けている間に成人します。成人になると何ができるようになるのか、何をしなければならないのか。この点に焦点を当て、成人としての自覚と覚悟をもって卒業できるよう、成人の先輩である私とともに考えましょう。
文理系列
主な目標は教養文化系列と同様ですが、文理の皆さんは卒業前に共通テスト受験という山場があります。成人として身につけておきたい実用的知識と思考力に加え、受験で戦えるよう、図表や文章から適切な情報を取捨選択する判断力も育てます。この判断力は、皆さんが卒業した後も世の中を生き抜く支えとして生きるはずです。

内容
・現代日本の政治と経済
 ―日本と世界を比較しながら、日本のいまと将来に迫ります。
・グローバル化する国際社会
 ―世界の中の日本、世界の中の私たちの役割を考えます。

備考 文理系列の生徒で私立文系・国公立大学を受験する場合は、この科目が受験科目となります。

倫理

履修年次 3年
単位 2
科目の種類 総合選択
履修対象 教養文化系列
目標
 倫という字は人の生き方という意味で、理という字は真理や道理の理です。つまり倫理の時間は、人としての生き方に人類共通の大切なものはあるのかを考える時間です。皆さんは既に10数年生きているわけですので、喜び、快感、苦しみ、悲しみ、悩みをそれなりに経験しているはずです。皆さんの経験を振り返り、言葉にして、友人の言葉のみならず先人の言葉とも重ね合わせる。そして自分の人生に、自分が生きるこの世界に、新たな価値を見つける。これが倫理の目標です。

内容
・古代の思想
 ―数千年前のギリシアと中国の思想、そして宗教の誕生を学びます。
・欧米の思想
 ―欧米の個人観・社会観から、今の私たちのあり方を考察します。
・日本の思想
 ―日本人としての行動が仏教に基づいていると思っているなら大間違いです。
・現代の諸課題
 ―戦争、科学技術、環境問題に、倫理的な考え方から皆さんに問題提起してもらいます。